大人の女はどう働くか? ―絶対に知っておくべき考え方、ふるまい方、装い方

原題は、Nice Girls Don’t Get The Corner Office

原書のAmazonカスタマーレビュ−は、この原稿執筆時221件寄せられており、トータルのスコアは5点中4.5点のようなのでかなり評価の高い本。

Nice Girls Don't Get the Corner Office

この本は2005年に日本経済新聞社から「小さなことから自分を変える7つの仕事術」というタイトルで出版されているので、そちらを既に読んだ方は要注意。
とは言っても、どうも翻訳者も変わっている様子なので雰囲気が違うのかも。

私はたまたま恵比寿アトレの本屋で平積みにされているのを手にとって、「あ、これは当たり本!」と直感してその場で購入。
最近はもっぱら図書館で借りて読んでから本を購入するパターンができつつある私には久しぶりの本だ。

自分の仕事にも役立つし、コーチングで紹介するのにもとても役立つ。何より読みやすいのがとても良い。

タイトルの「大人の女はどう働くか? ―絶対に知っておくべき考え方、ふるまい方、装い方」というのを見ると、なんとなく内容が想像できる本だろう。
その想像は多分概ね正しいと思う。

ただ、この本が素晴らしいのは著者が日本人女性ではなくアメリカで活躍中のキャリアウーマンであるという点だと思う。
同様のタイトルの日本人女性が書いた本は結構あるが、日本人キャリア女性の書いた本は、「周囲の人に本当に恵まれて気がついたら、ここまで辿り着きました。私が気にかけてきたのは、こんなことです〜」という「謙虚さ」を出した本が多くて、まぁ確かに日本で女性がある程度キャリアを築いていくには、「謙虚さ(←それが、心からなのものなのか、表面的なものかはともかく…)」というのは重要なのだとはわかるのですが、読み物としては、やっぱりあんまり面白くないし、ガツン!とこない。
海外モノは、その点がキッパリ、ハッキリ、私はこうやって掴みとって、駆け上がってきました!という勢いがあって、面白いのだ。

原題にも関係するが、「女の子」のままではダメなのだ。女の子からうまく卒業しきれない女性にも、そして最初から「女の子」にならず、「大人の女」で行こう!と思うどちらのタイプの女性にもお薦め。
それから、すでに「大人の女」ではあるが、さらに補強すべき点があるのでは?と思う女性にもお薦め。必ず何かしら、追加すべき事項が見つかるはずだ。

どうだろう?と思う人は以下の10項目をチェック。(本書5ページからの引用)

  • 周囲からプロだと認められている。
  • 信頼できるという評判を得ている。
  • 自己主張ができると思われている。
  • 有能だと言われてきた。
  • 人と話すと、相手に知的な印象を与える。
  • 躊躇なくストレートな態度をとれる。
  • 考えを明確に表す話し方ができる。
  • 仕事においては抜け目がない。
  • 自分に自信がある。
  • 自分をどうアピールすべきかを心得ている。

上記10項目のうち、当てはまる項目が0〜7まででだったら、この本は読むべき。(尚、すべての項目がOKだったら、あなたは自分で本を書くべき…というのが著者からのメッセージ)

この本では女性が職場でやらかしてしまいそうな101の言動をチェックし、さらにそれぞれへの解決方法が具体的に提示されています。

101のポイントの中で、私が、あー、これは日本人女性が特にやりがちだわ…というのをいくつかピックアップしてみました。

チェック7:経費を切り詰めすぎていないか?

女性は、職場で不便を我慢したり、ちょっとしたものを買わずに済ませたりしがちです。たとえ正当な経費でも、少しでも無駄に使うまいとします。なかにはそれを自慢する人もいますが…

これ、止めたほうが良いです。だいたいは職場にとってささいな金額過ぎて、上司から別に評価されません。部下からは、やり難い人だと思われます(部下も正当な経費をあなたに申請しにくくなります)
プロジェクトの予算を前年度に比べて、大幅に削減とかならともかく、交通費とか文房具とか…だと、単に時間とエネルギーの無駄遣いになるだけです。

チェック20:必要以上に真実を話そうしていないか?

自分について話すとき、女性は男性よりも、悪いことを含めてあらゆる真実告げる傾向があります。(中略)
たとえば、ある恰幅のいい年配の男性は、「身長180センチで体重87キロ、髪は茶色で、髭を生やしています」と言いました。これに対して女性は、もっと卑下した言い方をしがちでした。「髪は白髪が増えてきて、もうすこし痩せたいとおもっていて、それほど不細工ではないけれど…」といった具合です。

採用面接の際に、女性が自分を必要以上に卑下する場面に立ち会ったことがあったことがあります。
こちらは急ぎで人が欲しく、信頼できる人からの紹介で「今のスペックは決して高くないが、よく勉強するしガッツもあるのですぐ使える人材になるだろう…」ということでしたので、採用するつもりで話を進めていました。
面接にやってきた女性は、如何に今の自分は今回募集している求人のスペックに達していないか…ばかりを話すのです。
これまでしてきた自分の仕事も、大したことは何もしていないという話ばかりで、あまりに困ったので、「あなたの良い点も話していただかないと採用し難いのですが…」とその場で言ってしまいました。
ひょっとして、この仕事をやりたくないのか?という印象も抱いたので、この方はお断りすることになりましたが、後日、紹介者の方から、その仕事をぜひやってみたかったそうで、大変残念だったと言っていたと聞かされて、苦笑いする以外ありませんでした。

相手に期待を抱かせてがっかりされるように、最初に落としておいて思っていたより良かった…と思われたいのかもしれませんが、それでは様々なチャンスを減らすばかりです。

チェック57:いつも「前置き」をしていないか?

本題に入る前の無意味な前置きは、言えば言うほど、伝えたいことが曖昧になります。(中略)
それでも、女性が前置きしたくなるのは、自分の発言が強引だと思われたくないからです。

これは私も結構あてはまるので、耳が痛いです。
上司から徹底的にこういう態度は怒られてきたので、さすがに会議や打ち合わせの場ではこのようなことはありませんが、メールの場合、表情で和らげるとか相手の反応を見ながら表現を変えたりができないこと、それからメールが転送され、第三者に渡った時にどのような印象を持たれるかに不安を感じることから、ついつい柔らかい表現を選び、その結果、自信がない印象をあたえたり、分かり難い印象を与えたりしてしまうことがあります。
気をつけないと…と、この本を読んで改めて思いました。

チェック83:会議中、テーブルの下に手をおいていないか?

これ、弱々しい印象を与えるので止めたほうが良いです。多分あなたの周囲の女性管理職で昇進スピードが早い人は会議のとき、手はテーブルの上に出ていると思いますよ。観察してみて!
ちなみにこれは、取引先から見ても、この人は、ビジネスウーマンとして社内で扱われているのか?それとも「女の子」なのか?というチェックポイントになっています。

一生使える知恵がたくさん詰まっていて、消費税込み¥1728は悪くない。本ってやっぱりコストパフォーマンス良いなぁ…と思いました。

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