自分の仕事を考える三日間

「自分の仕事をつくる」(ちくま文庫)という本に出会って以来、著者であり働き方研究家でる西村佳哲さんの著作に注目している。西村さんの本では様々な働く人々が登場する。登場人物には共通事項がある。

・固まりきっていない。(自分自身としても、その仕事においても)
・自分の居場所を自分でつくっている
・自分の仕事を自分でつくっている

作る・創る・造る、、、、、もしかして尽くる…でもあるのかもしれない。
だから、タイトルも「つくる」とひらがなが使われていたのかもしれない。

 今回の本では8人の人に「自分の仕事」というテーマで自分のことを語ってもらっている。どの人にも「芯」がある一方で、捨てるところは捨てちゃっていいやという諦念のようなものが感じられる。
中でも印象に残ったのは、明川哲也さんのインタビュー。突き抜けた感がすごく心地良かった。

 自分のやりたいことが、経済的成功につながらない…という悩みは少なくない。
コーチングの中でも比較的よく出るトピックだ。そんな時私は西村さんの「自分の仕事をつくる」を手渡す。
そうするとクライアントの方は次のセッションに、晴れ晴れとした顔で現れ、「そういう仕事がなければ自分でつくればいいんですね」とおっしゃる。
そうして、私たちはどうやって自分の仕事をつくろうかとセッションの中で船を漕ぎ出すのだ。

この本を読むと、西村さんの引き出した言葉の一つ一つに大きかったり小さかったりするヒントがたくさん見つけることができる。

ひとりひとりの顔が異なるように、この世に同じ仕事というのは、ひょっとして二つとないのかもしれない。

「自然には、急ぐとか早道みたいなものはないですからな。人間がいくら急かしても焦っても、自然の時の流れは早うなりません。急いだらコメは実らんし、木は太うならん」。(宮大工 西岡常一さんの言葉)

「他の人にはできなくて私にしかできないこと」っていうのは、誰にでもできることや代わりのきく仕事を淡々と、あるいは一所懸命にくり返していく中で周囲がだんだん「これはあいつに任せるといい」とか、「あいつなら失敗ない」と自然に認めていって、その時にはじめて「私にしかできないこと」が誕生するんですよね。
 だから順番が逆だと思って、私にしかできないことがあるから、この仕事をするんじゃなくて、誰にでもできることを繰り返しているに、その人にしかできないやり方が生まれてきて、それをまわりが認める。(鷲田清一先生の言葉)

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