長いお付き合いは良いことばかり?

つい最近まで25年以上、ほぼ同じ美容院に通っていて担当者もほぼ固定していた。

引っ越しのため、さすがに月に1度転居前の美容院に通うのは現実的ではなくて、転居先で美容院を探した。

新しい美容院には先月初めて行って、今までだったら絶対言われないような髪型のアドバイスを受けた。
アドバイスの髪型は、いやそれ、色といい、カットといい、攻めすぎでしょう!という内容で、そのまま受け入れるわけにもいかず。

そもそも初めての美容院なので、ちょっと揃えてもらってカラーをやってぐらいでようは様子見で行ってみた。
で、信頼できそうなら、短くしようかな・・と目論んでいた。

が、揃えるだけでいいと言っておいたにも関わらず、「ここのボリュームは抑えたほうがいいですね」と言って、勝手に切ってくれたりしちゃって、何だかねぇ‥と思っていたのだが、その後によく考えると、もらったアドバイスも面白かったし、ここが重いからと勝手に切ってくれたのも、それはそれで印象が変わって結果として切ってもらってよかったと思えた。

長年通っていた美容院は、私がどんなキャラクターで、家族構成で(そもそも家族も通っていた)、どんな仕事をしていて、普段どんな服を着て、髪質はこんなで、おしゃれ熱心度はこのぐらい・・というのをよく把握していたので、安心して任せられた。

逆に言うと、それだから、意外性のある提案はゼロだった。

担当者の提案は、いつも私が「じゃぁそれで」とすんなりお願いする内容だったし、終わったあとに失敗した!と思ったこともなかった。

新しい美容院は、全然違っていて、初めてきたお客さんという目で見て、私のことなど何も知らないので、そのスタイリストが似合うと思う大胆なものを提案してきた。

で、結果として、その大胆な提案は受け入れなかったけれど、面白そうだったので、昨日また行ってみて、久しぶりに肩までの長さがあった髪をショートボブに変えてみた。スタイルも全部任せた。
今までしたことがないタイプのスタイルに仕上がって満足している。

自分でそんな体験をしてちょっと怖いなと思った。

こういうケースって、きっと私がもともと主戦場としていた法人営業の場でも結構起きているんだな‥と思い当たったから。

長年の取引先との関係が終わるのに、客先の予算の問題やこちら側の不手際だけでなく、新鮮味のある提案がどこかから持ち込まれて、業者変更というケースは少なくない。
こちらは長いお付き合いで、お互いよく知っているので固定客だと思っていたが、確実に受注できるとと見込んでいた定期的な案件が取れなかったり、これまで独占していたはずの受注が、気がつたら他の業者を受注を分け合っていたりする事態になっていたというようなやつだ。

よく知っているので、先方の好みそうな提案、先方で稟議が通りやすいと思われる定番の提案を出すことになりがちだ。
それでうまくいっているケースもあるけれど、安心していると今回の私の美容院のケースのように、新鮮な提案が持ち込まれてひっくり返ることがあるだろう。

マーケティングやプロモーション関係だと特にこういうのは多くて、SNS運用だけ入り込んだ他の業者が、気がつくとWebサイト運用をやり、そして気がつけば、イベントやセミナーも持っていかれたなんていうのも結構ある。

実際、自分も発注側にいたときに、急ぎの紙ものを任せたらかなり良かったので、そのまま少しずつ切り替えていったことがある。元の業者を切ろうと思ってそうしたわけではなくて、たまたま機会があって試してみたら使い勝手がよかったというだけの理由だ。

研修ビジネスなんかもこの手のことは結構多い。

業者切り替えの手間、つまりスイッチングコストが安いので、ちょっと試してみようか・・となる業種はこういうリスクがある。
これが物作りの発注とかになるど、そう簡単にはいかないだろう。スイッチングコストが高すぎるので、相当慎重に進めないとならない。

スイッチングコストが低い業界はビジネスが厳しいと考えることもできるけれど、逆にいえば、そういった切込み方で新しい営業先を獲得することがしやすいとも言える。
一長一短だ。

コーチングでも実はこういうことは結構ある。
数年越しの長いお付き合いのクライアントというのは、どうもセッションが定番化しやすい。
過去のこともコーチとしてわかっているので、このクライアントさんはこういうやり方のほうが習慣化しやすいとか、モチベーションが上がりやすいとかわかっている面もあるのだが、お互いに慣れたセッションのリズムのようなものができてしまって、気がつくとお互いがやりやすいように無意識に気を使ってしまっているというのがある。

そういうときは、思い切ってコーチを変える、または単発で別のコーチにお願いしてみるというのは、いい手だと思っているし、コーチングを少し休んでみるのもいいと思うし、実際にそういう話もしている。

私のところの単発コーチングでもそういった方もちょくちょく見られるようになり、それだけコーチングというものに慣れてきた人が多いのだな‥と実感している。

本当にこの美容院の件は、思い当たることが多く、背筋がヒヤッとしたので色々と見直すいい機会になった。
仕事に限らず、人間関係とか勉強方法とか慣れて惰性になっているものは結構ありそう…。

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