カテゴリー: 本

敗北を抱きしめて 上 増補版―第二次大戦後の日本人

1945年(昭和20年)8月、日本は終戦を迎えた。 終戦後は大きな混乱や貧困を経たのちに、私たちは高度経済成長を迎え、そして昭和の終了、平成と至る。 終戦後の日本と経済成長の間に何があったのか? アメリカのGHQがやってきて、天皇制度が残り、でも主権は国民にあるという形になった。女性参政権も認められた。 ざっくりと高校までの日本史で教わったことはそうだった。 私の個人的な印象では、学校の歴史の教育 […]

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英国メイド マーガレットの回想

この本との出会いは近代ナリコさんの書評から。 紀伊国屋の書評空間はいつも本選びの参考にしているサイトだ。 ここでレビュー気に入って読んだ本で、外れた本は今まで1冊もない。 マーガレットはイギリスの貧しい家庭に育ち15歳から、使用人として最下層のランクであるキッチンメイドから働き始める。 ありとあらゆるタイプのご主人のもとで働き、ひどい職場もあるのだが、常に明るく、前向きで、自分への自信をなくさない […]

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日本のデザイン

久しぶりに原研哉氏のデザインの本である。 今回は岩波新書からの出版ということもあり、デザインと言う言葉から少し縁が遠いなと思われている人にも読みやすい内容にまとめられている。 副題に「美意識が作る未来」とある通り日本の古来からある美意識を今あらためてこの本で意識させられ、その上でこの持っている美意識をどう未来に行くかということが語られていく。 この未来を描く想像するスキルというのがすごい、デザイン […]

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iPhoneと読解力の低下

このところ低迷している。 アイデアには切れがないし、新しいものが何もない。自分の中から何かをやろうという気力がわきあがってこない。 自分の中身が「枯渇」している…と感じたまま数ヶ月が過ぎた。 40代に入ってひょっとして年をとったということなのか? 人生にはピークというのがあると誰かが言っていたけれど、それを過ぎると下がる一方だと言っていたけれど(そんなの信じたことないけど)、もしかして私は折り返し […]

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自分の仕事を考える三日間

「自分の仕事をつくる」(ちくま文庫)という本に出会って以来、著者であり働き方研究家でる西村佳哲さんの著作に注目している。西村さんの本では様々な働く人々が登場する。登場人物には共通事項がある。 ・固まりきっていない。(自分自身としても、その仕事においても)・自分の居場所を自分でつくっている・自分の仕事を自分でつくっている 作る・創る・造る、、、、、もしかして尽くる…でもあるのかもしれない。 だから、 […]

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2010年:読んだ本 ベスト5

books

2010年に読んだ本。個人的なベスト5です。 2010年に出版された本とは限りませんので、ご注意ください。 以下、読み終えた順番で並んでいます。 一九八四年 村上春樹の1Q84にもちょこちょこ出てくる。本家本元イチキューハチヨンと言えば、これ。 三省堂では隣同士で平積みされていました。 以前から読もう読もうと思っていて、ようやく読みました。読書中も読後感もなんというか気分は最悪なのですが、これを読 […]

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フォーリン・アフェアーズで日本を考える

R+のレビュアーに選んでいただき、フォーリン・アフェアーズを読むチャンスに恵まれました。 正直なところ、フォーリン・アフェアーズはお値段もお安くありませんし、内容も硬派なので、こういう機会でもないとじっくり読み通せませんので、この献本は本当に有り難いです。 今回はアンソロジーということで、「日本」についての論文を1冊にまとめてあるものです。 読むのに丸々2日間(16時間)を費やしましたが、読んだ甲 […]

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「カウンセリングを語る(上巻)」河合隼雄著

日本における臨床心理学の第一人者である河合隼雄先生の本をよく読むのは、カウンセリングとコーチングの底辺に横たわるものは同じものがあると感じるから。 市販されているコーチングのHow to本というのは、ほとんどコーチングの事例とエッセンスの紹介で終わっており、深みがなく、その分、「あ、こんなものなのか、じゃ、オレも明日からコーチングというのを部下にやってみよう!」と楽観的に思い、すぐに実践してみるこ […]

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「それってどうなの主義」斎藤美奈子著

めっぽう辛口で、切れ味鋭い斎藤美奈子が今回は社会、報道、文化、教育などに切り込んだ。いやはやどれもれこれも痛快。それはちょっとうがった見方過ぎるのでは?と思う箇所もあるのだけれど、それすら気持ちよく読めてしまうのがこの人のすごいところだと思う。このうだるような暑さの中でもすーっとする、もしくは背筋がヒヤーっとする切れ味である。 確かに私たちは、毎日のニュースや社会問題について、「それってどうなの? […]

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