英国メイド マーガレットの回想

この本との出会いは近代ナリコさんの書評から。
紀伊国屋の書評空間はいつも本選びの参考にしているサイトだ。
ここでレビュー気に入って読んだ本で、外れた本は今まで1冊もない。

マーガレットはイギリスの貧しい家庭に育ち15歳から、使用人として最下層のランクであるキッチンメイドから働き始める。
ありとあらゆるタイプのご主人のもとで働き、ひどい職場もあるのだが、常に明るく、前向きで、自分への自信をなくさない彼女はとても魅力的だ。
常に自分をよりよい職場へ引っ張り上げようとスキルアップを怠らない姿勢も好感が持てる。

また、彼女はコックを目指しているので料理についての詳細で具体的な記載が楽しい。イギリスにそんなにおいしいものがあったんだ?と私などはびっくりしてしまった。

彼女はありとあらゆるところから技を盗み、料理書を熱心に読み、後半は素晴らしいコックになる

本書の大部分は二つの対戦に挟まれた1920年代の話だが、その時期の上流階級の舞台裏(それも使用人)から見た)がのぞけるのは楽しい。

貧しい家の出身だからと言っても、彼女はユーモアがあり、聡明な女性だ。

最後は、彼女の念願かなって結婚にいたり、その後は3児の母となるが、母親業だけではなく、卒業できなかった学校へと戻り、学校卒業の資格を手にしていく。どこまでも自分の可能性を追求する人なのだ。読んでいるこちら側にも元気を与えてくれる

読んであなたの毎日何か役立つものではないだろう。私にとってもそうだった。
しかし、この本は必ずあなたをイギリスの裏側の世界に連れて行ってくれ、しばし時を忘れさせてくれ、何度かあなたをクスクスと笑わせてくれるだろうということをお約束しよう。

私はこの本と過ごした毎晩がとても楽しかった。

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