スキルアップと食いっぱぐれないということ

先日、長年に渡っての仕事の関係者と久しぶりにランチを共にする機会があり、
彼から、「最近、どんなスキルアップのための勉強していますか?」…と聞かれた。

少し振り返ってみたが、これが困ったことに何にもしていない…ということに気がついた。

今年の1月に「ジーニアスコード」のトレーニングを受講したが、これがスキルアップのためのトレーニングなのかと言われるとかなり微妙。
このトレーニングは、潜在意識をもっと活かすという能力開発型のトレーニングで、とっても面白かったのだが、「=スキルアップ」というイメージにうまくつながらない。

私にとって、スキルアップというのは、明日からもしくは次の仕事から、確実に生産性向上に役立つとか、時給が上がるもの…というイメージなのだ。つまり、効果が「早く」「具体的」に表れるものだ。

ジーニアスコードというのは、良くも悪くもそういうタイプのトレーニングではない。

毎日最低2時間はする読書についてはどうだろうか?
仕事について、何か知っておきたい分野があり系統立てて本を読むというようなことも最近はしていない。
むしろできるだけ、仕事に直結しない本を読んでいる気がする。

もちろん、その時々の仕事に直結する場合には、情報収集のためにまとめて本を読むというは、今も継続してやっている。
例えば、SNSマーケティングのような私にとって全く未知な仕事に関わるときは、まとめて5冊ぐらい一気読みして、この分野の常識のラインはこのあたり、これから色々と展開されてくる部分はこのあたり、課題はこのあたりなどというのをざっと把握しておいた。
でもこれは将来や現在のためのスキルアップ?というよりも、仕事の必要性から読まざるえなかった‥というのが正しいだろう。

ハーバード・ビジネス・レビューの定期購読は、スキルアップというよりも、現状維持に恐らく近い。
最低限ビジネスの上で、知っておいたほうがいいものを押さえておくという意味で、「積極的スキルアップ」というよりも、「消極的スキル維持」という言葉が的確だ。
それより何より、単にこの雑誌の扱うテーマが私が好きなものが多くて、楽しみのために好きで読んでいるというのが一番正しいだろう。

なんで昔はあんなにスキルアップに熱心だったのだろう?

どうも、よくよく考えてみると、私の仕事に対する根本的な想いというのは、いかに「長く仕事を続けられるか」というのがベースになっていて、ようは「食いっぱぐれないようにするか」というのがそもそもベースなのだということに気がついた。

娘が二十歳になるまでは、とりあえず二人で食べられる分は稼ぎ続けないといけない‥と考えていた。
夫が稼いでくるお金というのは、それは保険のようなもので、夫婦仲などいつどうなるかわからないのだから、それがないと生活に困るような稼ぎ方はマズイとずっと思っていた。(これはそういう家庭環境で育ってきたというのが大きいと思う)

元々が派遣社員からのキャリアスタートだったので、今の仕事がなくなってもすぐ次の仕事がくるようにスキルを磨いておく必要があるとずっと思っていた。
そして、その思考は社員になってもず引きずり、理不尽な環境や職場ならいつでも次に移れるようにと、スキルアップを継続していたし、時間もお金も投資していた。

そういう私がスキルアップのトレーニングから離れたのは、
恐らく娘が社会人になり、娘が自分で自分の食い扶持が稼げるようになり、私は私一人が食べられる分だけ稼げれば良いようになったことも大きいだろう。

それから、フリーランスになってみて、仕事ってすごくあちこちに落ちているんだ‥というのに気づいたというのもある。

行きつけのショップやら飲食店で、SNSの話をあれこれしていたら、SNSの運用やアドバイスを頼まれたりとか、
自宅で使っているプリンターと接続できない、無線LANにアクセスできない‥というのをつなげたら謝礼をいただいた‥とか、このあたりは、提案したわけでなく、向こうから仕事やら何やらをくれるパターン。

その他に、最近多いのはセミナーやらトレーニングを受講して、参加者の方と話していたら、コーチングを受けたい‥というケースとか、会社にきて情報システム部門の重要性みたいなのを語って欲しいとか、なんかよくわからないうちに営業活動してしまったとかもある。

最近、本当に仕事ってあちこち落ちてるなぁ…と思ったのは、とあるセミナーで登壇したら、そのセミナーを聞かれた方からご連絡がきて、各営業の持っている提案書レベルがバラバラ過ぎるので、、提案書の書き方みたいな研修をやってもらえないか‥というお話がきた。
私は、セミナーで喋れるぐらいであって、講師で何かを教えるプロではないのでこちらはお断りしたが、話を聞いているうちにそもそも、誰が客先に持っていっても、それなりな提案書のテンプレートがあれば、解決できそうな問題でもあったので、そういうのを一度作ってみたらどうでしょう?とお話してみた。

そういう案は社内からも何度か声が上がっていたのだが、どうやら誰がそれをやるのか?というので適任者がいない、さらには業務が忙しすぎて、そのとりまとめに時間が取れないというので、なしくずしになってしまったそうだ。

で、「じゃ、それを私がやりましょうか?」という話をしたら、それが仕事になった。
期間二ヶ月で、社内営業の全員から、自分が今まで出した提案書でよかったと思うものを数を決めてだしてもらい、中をチェックして、良さそうなものを書いている人には、1 on 1で私がインタビューをしてこの業界における良い提案書作りのコツを探る(この業界私のキャリアと全く接点がない…)、でテンプレートを作る‥、さらにコツをまとめたリストも作る・・・という話でまとまった。
まぁ、それでさらにそれを元にセミナーを‥という話であれば、それは後で考えましょう‥ということになった。
なんとも名前のつけようのない仕事だ。

こんな風に仕事って、あちこちに落ちていて、それを拾っていけば、食いつなげることがわかってくると、いわゆる冒頭に書いたような「スキルアップ」に興味が持てなくなってきた。

真面目に数日間こもって関連図書を読み、足りない知識、最新知識のみをインターネットで探しまくれば、そもそものビジネスのベースがあると割となんとかなってしまう。

すぐに稼ぎに繋がる「スキルアップ」は、実は陳腐化も早いし、何よりそれって、できることは増えても、本来のベースみたいなものにどうも厚みが出てこない、器そのものが大きくならない‥のだ。

そんなことを思うようになって、最近はできるだけ、今やっているビジネスに直結しない本を読み、今までの私だったらまったく手を付けないだろう‥ということを意識してやるようにしている。

もちろん、こんな風にその都度落ちている仕事を拾っていては、キャリアの階段も登れない、専門性も上がらない、ビジネスとして大きくならない。

でも、そもそも、「食いっぱぐれがない」「長く働きたい」という私にはこっちのほうが合っているんじゃないかなぁ…と思うのだ。

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