日経新聞との付き合い方

20代で派遣社員として仕事を始めた頃から、日経新聞には長いことお世話になっています。途中、読む暇なくて止めていた時期もありますが、25年間の仕事人生の中で3分の2ぐらいは定期購読していると思います。

新聞購読者は減っているそうですが、それでもまだまだ日経新聞を朝一番に読んでくるビジネスパーソンは多いです。
ビジネス用語やビジネストレンドというのは、ITと同じように流行り廃りが激しく、これらをビジネス書や雑誌でカバーすることは可能ですが、今まであまりビジネスそのものに関心を持ってこなかった人であれば、その範囲は広過ぎて、キリがない気がしてくると思います。

日経新聞を読むと、このあたりの用語やトレンドが一通り頭に入ります。

また自社の競合や業界の動向、お客様の業界についての知識も自然と入ってきます。
政治・経済も大きくビジネス環境に変化を与えますので、このあたりも読み逃せないところです。

そのため、特に若い人たちからビジネス書のオススメや、何を読むべきかを聞かれたときには、一通りの知識を仕入れるために、まずは1年日経新聞を読むことを薦めることが多いです。

私と日経新聞のおつきあいについて、ここではまとめておこうと思います。

【日経新聞をすすめる3つの理由】

・1冊1500円程度のビジネス書を月に何冊も買うよりもコスパがいい

・ビジネス用語やトレンドを全体的に大まかにつかむことができ、ビジネスの話でベースとなる共通用語を得られる。

・業界動向や競合企業の状況がわかり、(ある程度の)裏付けをもった提案ができる

【新聞スクラップについて】

私自身はスクラップについて、現在は以下のようにやっています。

・朝刊、夕刊から、今後役立ちそうな記事を切り取る。または、今は時間がなくて読みきれないが、読んでおきたいものも切り取る。

・切り取りには、紙面下部の書籍の広告も含める。
日経新聞を紙媒体で購読している理由はここにもあります。ここには現在ビジネスマンが興味を持ちそうな本がたくさん掲載されています。現在のビジネスでの話題も簡単につかめますので、必ず目を通します。以前はスクラップせずに、気になるといきなりAmazonで購入してしまっていましたが、当たりハズレが激しいので、まずはここでスクラップして、いったん冷静になります。

・切り取ったものはとりあえず収納箱に投げ込む。

・毎日、切り取った記事を適当に5枚ぐらいピックアップして読む。この時、既に関心のなくなっているものは、ゴミ箱へ。

・読んでみたが、やっぱり取っておこうと思うものは、スキャンしてEvernoteに入れる。

・スクラップの際に、Evernoteのタグとして現在使っているものは、以下の通り。こうして見ると、今の自分の興味の分野がよくわかりますね。

ネタ(ブログやプレゼンのネタに使えそうなもの)

国内政治
Money Management
アート

国際政治
IT
経済
書籍
ビジネス

・Evernoteのノートのタイトルの付け方は、「日付 タイトル(=内容が一目でわかるもの)」
例:「20160911広がるブロックチェーン」、「20160514 カツオの角煮」

・書籍については、このスクラップの時点で、図書館に本の予約を入れる、もしくは「いつか読みたい本のリスト」に登録することが多いです。

【日経新聞の読み方:6つのコツ】

1. 「紙媒体」の日経新聞にチャレンジ
電子版もありますが、電子版は興味のない記事をついつい読み飛ばしてしまいます。特にインターネットでの情報収集に慣れた方ほど自然に読み飛ばしをしています。特に読み始めの1年間は紙媒体をお薦めします。

気になる記事をネット上に保管できるのは、電子版の利点としてよく挙げられますが、私の周囲では保管した記事を読むことはほとんどない…と皆さんおっしゃいます。

2. 1面から順番に読む
重要な記事は1面から掲載されています。また記事が大きいほど重要な内容です。大きい記事から読んで重要情報を押さえる習慣を。

3.読みにくい記事でも見出しだけは必ず読む
普段の生活では絶対に使わないような経済用語やビジネス用語が頻出します。見出しに使われている単語にわからないものがあったら、意味を調べる癖をつけるとそれだけでビジネ知識は大幅にアップします。

4.紙面下部の書籍の広告に目を通す
既に書きましたが、日経新聞の書籍の広告にはビジネスマンが興味を持ちそうな本がたくさんあります。現在のビジネスでの話題も簡単につかめますので、必ず目を通します。

5.余裕があれば文化欄も読む
朝刊の最終ページや夕刊は、文化欄が充実しています。特に営業系職種の場合、お客さまとのお食事や接待という場も多くあります。食事の席で、仕事の話をするのは無作法だとされている方も多くいらっしゃり、あえて歴史や美術の話などをされる方も少なくありません。
ビジネスパーソンとして文化・教養ってどのぐらい知っておけばいいの?というのは、悩ましい問題ですが、ジャーナリストの立花隆氏は日経新聞に出ている程度のことは抑えておく…とどこかで書かれていました。私にとっては、それはかなり文化レベルが高いように感じますが、まぁ文化レベルが高くて損をすることはありませんから、1つのガイドラインとして良いのではないかと思います。

6.IT関係の用語も日経新聞で最低限抑える
ITの力をまったく活用しないビジネスというのはほとんどなくなりつつあります。JUAS「企業IT動向調査2015」によれば、「売上規模1兆円以上の企業ではITなしでは 88% のビジネスモデルが成り立たない」との報告も出ています。
しかし、ITと一口に言ってもものすごく範囲が広くて、どこからどこまで、どのぐらいの深さで知っておくべきか‥というのを決めるのは難しいことです。

私はメインの活動エリアがIT業界のため、エグゼクティブ・コーチングの際によくこのあたりについて質問を受けますが、日経新聞に出ているIT関連用語についてのみ、最低限押さえておけば、概ね問題ありません。説明も専門家向けではないので、ざっくりで分かりやすいです。その中から特に自分の業界や仕事と関係のありそうな気になることがあれば、ネットや書籍で深堀りすればいいことです。

日経新聞の朝刊・夕刊に目を通して記事を切り取るのに、40分。スキャンしてのスクラップは毎日10分ぐらい作業時間を割り当てています。とはいえ、出張なども多いので、結構時間が作り出せず溜め込んでしまうこともあります。

そんなに毎日時間作れない…という人も多いでしょうから、まずは定期購読ではなくて、コンビニなどで時間のあるときに買うところから始めてはどうでしょうか?

何事もスモールスタートから始めましょう。小さな成功体験を積み重ねると、良い習慣を身につけるのがグッとラクになりますよ。

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