短期決戦からの引退

2013年1月上旬に会社を退職しました。
そこから2ヶ月後ぐらいにはまた仕事をする予定だったのですが、今までの仕事のやり方では、経済的にはある程度ゆとりがあっても、それを維持するためのたくさんのストレス解消が私の中にあることに気がつきました。
実際にはそれはストレス解消にはなっておらず、かえってタスクを増やしストレスを増大させるものばかりです。(正確に言うと、大分以前から、本当は気付いていましたが、気が付かない振りをしていたものを見ることにしました。)
具体的には散財、暴飲暴食、TVは苦手なので見ませんが、それに負けずの劣らずのインターネットの垂れ流し情報に浸ることなどがありました。

こういったことがすべて私自身をすり減らし、生活を忙しくさせ、そのために疲れて判断力が落ちて、さらにあまりよくない選択肢を選んでしまうという悪循環につながっていました。
人間的成長のための学ぶ時間、心ここにありきで過ごすべき家族の時間がありそうで実は全然なかったこと…(形骸的にはあったのですが…)
などが見えてきて、ちょっと時間が欲しいなぁと思ったら、結構時間が経って5月現在に至るという感じになりました。

参考:ストレスのない貧乏生活とストレスのある金持ち生活
http://yuko.tea-nifty.com/blog/2013/04/post-3035.html

スローライフというのとは、またちょっと違うのですが、ずっと駆け足で過ごし、何かを見ているようで、ただ通り過ぎているだけ、これがあとまだ何十年かあるのかと思うと正直なところうんざりしてしまいました。
この年齢になると確実に、1日ごとに体力が落ち、気力が落ち、頭の回転が落ちるというのが毎日実感できるようになります(自分を内省できる時間がある人であれば)。
この後の人生で能力的に最上の日(つまりたった今)をIT業界に捧げる必要が特に見出だせないのと、おかげさまでこれまで職場に恵まれたため、22年仕事をすると、この業界から学べるもののかなりの部分はもう受け取ってしまったような気がします。

退職後は、体調はストレスゼロの生活で改善し、持病の発作も起こしませんし、睡眠薬も大幅に減りました。(花粉症だけはどうにもなりませんでしたが…)
ストレスを解消する必要がなくなったので、余計なものも買わず、買わなければものも増えないので、ものを捨てるストレスもなく、手入れもそれなりに行き届くのでますますものを買わなくなるという良い循環に入ってきました。

毎日自分を奮い立たせて、無理やり目を醒ます必要がなく、夜は頭を空っぽにして眠れるようになり、毎日が気持ち良いです。
何よりも私が嬉しいのは、読むには前提知識も集中力もかなり必要な敷居の高い本が読める時間ができたことです。

娘が20歳になってまず第一に思ったのは、良かった。もう死んでも別に構わないのだな…ということでした。娘が産まれたときに「うーむ、これで少なくともあと20年は元気でいる必要があるのか」と思ったことを覚えています。
こんなことを言うと、そんなに早死にしたいのか?と聞かれそうですが、私が20歳前の頃には、わりと同世代の人たちはそんな空気でした。若者礼賛の時期だったのかもしれません。OLよりは女子大生、女子大生よりは女子高生のほうが価値があるみたいな雰囲気もありました。
齢をとったら、良いこと何もなし…というような感じで、まぁ時代は繰り返し繰り返し刹那主義を迎えていたのかもしれません。

そして、娘は20歳になり、気が抜けました。
それでも、まぁ多分あと少なくとも20年ぐらいは生きているだろうなぁと自覚したときに、もう短期決戦みたいなことはやりたくないなと思いました。
どうやっても20年ぐらい、最低でも10年ぐらいかかるものに取り組んでみたいな、と。
それだけ時間があるなら、前々から気になっていた歴史、宗教論、哲学あたりをやってみようかと。
いつか読もうと思っていた本も結構本棚に眠っています。

そんなわけで2013年から、細切れの通勤電車の中ではちょっと理解し難いような本を図書館で見つけては読んでいます。
色々読んで、やっぱり宗教と哲学と世界史わかんないと、本が徹底的に味わえないと思い、最近はもっぱらその辺りの本を読んでいます。
今まで読んでいてわかったつもりだった文学作品などの隠された比喩などがよくわかるようになり、あー、もっと早く学んでおけばよかった…と思うことしばしばですが、そういうことも含めて、今、取り組んでいることに満足しています。

さて、とは言え私はもともと家庭の大黒柱だし、マンションのローンも100%私の名義でたっぷり残っています。そんなわけで全然仕事をしないということもできないので、今は個人向けのコーチングと法人向けには顧問として営業、マーケティング関係のアドバイスをしています。

コーチングも2003年から提供していて、10年経ちました。クライアントを通じて見る世の中も大きな変化を感じますし、変わらないものもあるなと感じています。まぁ、そんなこんなを書いて、久しくお休みしていたこのブログもできれば週1回ぐらい更新していきたいなぁと思っています。
ざっくりですが、近況報告でした。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

  1. NO IMAGE
  2. NO IMAGE

    2007.12.13

    今年の漢字
  3. NO IMAGE
  4. NO IMAGE

    2004.02.03

    質問と詰問

コメント

コメントをお待ちしております

HTMLタグはご利用いただけません。