第16回読書会(サードプレイス)開催報告「人間をお休みしてヤギになってみた結果」編

第16回のサードプレイスを2022年3月にオンラインで開催しました。

受付開始:サードプレイス #16 課題本「「人間をお休みしてヤギになってみた結果 」

今回はこれまでで一番事前申し込みが少なく、ひょっとして主催者2人だけの会になるのでは?(多分、それはそれで楽しいけれど)、本の選び方マニアック過ぎたか?などと、開催前にあれこれ話していましたが、最終的には、全部で6名の参加者となりました。

課題本と著者について

課題本:「人間をお休みしてヤギになってみた結果」。

著者 トーマス・トウェイツ(Thomas Thwaites)

トーマス・トウェイツ Wikipedia

著者のサイト

https://www.thomasthwaites.com/

TED:トーマス・トウェイツ:トースターを1から作る方法(日本語字幕あり)

自己紹介

自己紹介では、サードプレイスの中で呼ばれたいお名前*のご紹介と、「今回の課題本をどのぐらい読みましたか?」といういつもの質問にプラスして、「人間をお休みしたいと思ったことはありますか?それはどんな時ですか?」という質問をさせていただきました。

*サードプレイスでは、好きな名前を名乗っていただくことになっています。

今回の課題本は、概ね読んできたという方多かったですが、サードプレイスの特徴でもありますが、途中までしか読んでいないという方もいらっしゃいました。
途中まででも充分楽しめたのではないか・・と思ってはおります。
(毎回の自己紹介でどのぐらい読んだかをまず聞くのは、読み込み度合いで進行を変化させるためなので、そもそも)

人間をお休みしたいと思ったことは?という質問へのご回答の代表的なもの・・

・ネコや犬のように「今」のことだけ考えて生きてみたい〜と思うことがある

・行き詰まっているときとか悩みのある時にお休みしたい・・に近いようなことを考える。

・そもそも「人間をお休みする」とちう発想がこの本を知るまで浮かんでこなかった・・

読書会で話された内容の抜粋

発想がしょうもない。
象になれないから、ヤギ?

スピリチュアルから科学的なアプローチまで、胃を作ったり思った以上に本気でやっているところが、すごい、面白い。
(科学的アプローチに関しては、その部分が面白かった‥という参加者とその部分が読みにくかったという参加者に分かれました)

内蔵持っていく箇所とか苦手。やりすぎ?胃を4つ作るとか。
あれは実験終了後の身体はいったい大丈夫だったのか?それこそ基礎研究?

草を食べて栄養が取れるようになり環境問題を考えるには大事な研究でも虫を食べるは抵抗があるので、草のほうがいい。
手もひどそう、終わった後大変では?
ヤギは前後で足の長さが違うというのを始めて知った。
身体的には首もすごく大変だったと思う。

食事、草を本気で食べるところがびっくりしたし、なんて本気なんだろう‥と感動

これが研究として予算がつくのもすごい。基礎研究ということ?
こういう基礎研究にお金を出せるというのは、文化、経済がリッチである必要があるだろうな。

これにお金が出ているのがびっくり。トースターの実績が評価された?

パラリンピック でいろんな器具を発明するようにヤギから、いろんな発明が促され、障害者に良いものが生まれるかも知れない。

人間とは自分の頭だけで思っているのではなく、周りの環境があってこその人間。
カラダを作り変えて、意思を変えるだけでなく、徹底してカラダを変えるというのはすごく人間を考える上で非常に大事だと思う。

人間は頭だけでものを考えるわけではない‥という話、腸や筋肉など、全体で人間らしい。
ヤギの身体の部分に着目していくと、感情から離れて、結果脳を休め(=人間をお休み?)というアプローチにも見える。
身体というのはすごく考えられて精巧に作られているものだというのがよくわかる。
頭より身体のほうが完成度が高い?

終わり方が唐突。
ヤギになってみてどうだったのかというのがほとんどない。
そもそもこれを「ヤギになった」と結論づけていいのか?
群れには入れたけれど、それはヤギになれたってことなのか?
ヤギに一週間もなれていない。(身体の負荷が高くてそれ以上長くできない。)

人間を休むってどういうことなのか?
彼は休めたのか?
ヤギになろうと熱中することで、今のことしか考えていないため、今の悩みからは解放されている。熱中=マインドフルネス?=人間をお休み?
我を忘れて何か(今回ならヤギになること)に熱中することはある意味で休むことなのか?
好きなことをやっているので苦痛ではなく、ある意味おやすみ?

そもそも新しい環境は人間にも動物にもお休みできないのでは・・神経ピリピリするだろう。
今までの生活にどっぷり入っているほうが、人間をお休みでは…。

人間をお休みしたいというのはそもそも何を休むことなのか?
身体を休めると頭を休めるの両方はできるのか?

世界中のややこしいことから少し距離を置いて、仕事から(もしあなたに仕事があったらね)、暮らしから、そして自分自身から、お休みを取っちゃわない?人間をお休みしちゃうってどうだろう?人間の世界のややこしい物事から逃げて、本当に必要なものだけで生きていく。

トーマス・トウェイツ. 人間をお休みしてヤギになってみた結果(新潮文庫) (Japanese Edition) (pp.15-16). Kindle 版.

ヤギになることによって、別のややこしいことがでてきた。
ヤギと寝るとか、人間の世界とは距離をおけたが、ヤギの世界にはまた別のややこしいことになった。
猿とかのほうが良かった?ボスとかいるから、悩みありそう。

ヤギも象も草食動物はすごくたくさん食物を取らないと駄目だとすると、すごく忙しい生活なのでは?
家畜になると脳が萎縮するという話もあり、萎縮したほうがお休みにはなりそう。

そもそも著者は暇で不安だったのか、暇なら休めているじゃん、暇だと悩みがかえって多い?
ヤギになることを目指すことで暇はなくなり充実したが休みはなくなった。

ヤギになれれば、修行僧のような単純な生活を毎日過ごせる?
俗世間から離れて、精神を休ませ、自分は何ものかを考える。これが休みでは。

マズローの5段階欲求説(生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求、承認の欲求、自己実現の欲求。)
上に上がると幸福が上がっていくはずだけれど、ヤギになるというのは、マズローの5段階と逆。
人間は上に上がるほど幸せというが、下にとどまっているほうが休みは取れる。

上に行くほど幸せというわけでもない。と著者は思っている?そこから逃れたい。
マズローの5段階欲求説はがいつまでも欲求がなくならないから、きりがない。
自分でレベル3でいいとかいかないところが、難しい。

上に行くほど、幸福を求めているようで不幸になるとショウペンハウエルが言っていた。

そもそも、人がヤギになると、生理的欲求の時点でそもそも満たせないじゃん

この人多分、ヤギになってもヤギなりに悩んでしまう気がする。

動物と学習性無力感を考えると、人間に近い部分もある。ただ、それを悩むことがない。

そもそも人間はどうして動物のことまで考えるのか?

猿は悩むのか?とか、他の種類ものまで、犬や猫の気持ちを理解したいと思うのか?

シャーマンってなんだ?

占い、お祈り?仕事?呪術師?お医者さんてきな?お祓い?日本の雨乞いとか、神楽とかも近い?
地域別に同じようなものがあるのでは?白い猿とか?白い蛇が神様のお使いみたいな。

ギリシャ神話の話を思い出した。ヤギと人間の組み合わせ>パン神

西洋的?魂から身体へ、東洋は身体から魂…。

幅広く専門家に強力を依頼

著者のコミュニケーション能力の高さがすごい。友人にも恵まれている。
すごく魅力的な人?
やりたいことの核はしっかりしているが、周囲部分にたいして柔軟。
象からヤギへあっさり変更するなど

脳の実験 脳の一部を止めてヤギに近づける箇所は、オウム真理教のヘッドギアを思い出した。
電気刺激でトランス状態を引き起こしなんでも疑いなく入ってくる?
一方、催眠術は催眠術師との間に信頼関係が必要

読書会全体の感想

・マズローの5段階、上に行くほど欲求が増す
下の段階で留まれという話なのか、それはどういう意味なのか‥というのを考えてみたい

・皆さんの読み方、見方が面白かった。
過去と未来との揺れ動く自分の気持ち、これが人間が悩んだりお休みしたくなるところかなと思いました。いろんなお話聞けてよかったです。

・ヤギは5段階の下の欲求しかないから、そんなに悩まないよね?
上に行くと悩みが増える。
ヤギになっておやすみになったのか?お休みとはなにか?とは考えているうちにわからなくなってしまった。
ヤギになった=おやすみ=幸福ではない‥のではという話。

・ヤギなりの5段階?
ヤギなりの5段階が見つけられないとこの本は解決しないのでは‥。

・ヤギになるまでの過程がすごく大変だし、なった後も大変そうで休めていないのでは?
トーマスさんのエネルギーはすごいし、周りの巻き込み方もすごく、感心してしまった。

・この研究にお金を出す財団は何にお金を出したんだろう。

・過去と未来に振り回される人間、マインドフルネス。人間は何に振り回されているのだろうか?

全体を通じて

こんなに長いまとまならい開催報告を読んで下さってありがとうございます。
ここまで読まれればご理解いただけましたように、この本にも結論らしき、結論はありませんでしたが、読書会もみんながそれぞれで思いつきであれこれ話すので、結論はありません。

結論がないのは、サードプレイス読書会の毎回のことで、ここでは進行役はいますが、本について解説するひとや教える人はいないので、本を媒介にてあれこれ話をしたり、他の人の感想を聞いて色々と感じる場になっているからです。

今回の課題本は一見とっつきやすいのですが、読み始めると考えさせられる部分が多かった‥というのが皆さんの意見で、ある意味とても読書会向きの本でした。

次回の読書会は、夏休みをはさんで9月3日となります。
課題本は、「ふだんづかいの倫理学」。
こちらの本にご興味ある方、読書会サードプレイスにご興味ある方よろしければぜひ、おしゃべりにいらしてください。

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