どこを見ていますか?

恋愛はお互いを見つめ合うもの、結婚はお互いに同じ方向を見るもの‥というのをどこかで聞いたことがあります。

私はコーチングのコーチという仕事ともう一つ、大体いつも3社の企業で顧問とかアドバイザーと呼ばれる仕事をしています。
4月は新年度を迎える企業が多く、この時期顧問先では来期の数字をどのように伸ばすか‥という話が多いです。

ディスカッションに参加していると、創業歴の浅い会社ほど、同じ方向を見つめていることが多く、創業歴の長い会社のカルチャーがしっかりできている会社ほどお互いばかりを見ていて、社外を見ていない‥ということが多いです。

では、創業歴の浅い会社のほうがいいのか?という単純なものでもなく、できたばかりの組織というのは喧々諤々な議論も噴出し、これぞディスカッションというのも多いのですが、一方で現在自分達が持っている会社の体力やリソース、成長段階を全く考えないケースもあり、実現性のない打ち手ばかりの議論のための議論になることも多々あります。

また、新しいことをやりたくて入ったメンバーばかりですから、自身の思惑と会社の方向がずれるとあっさり退職を選ぶ人も多いです。
エネルギーのぶつかり合いが激しく、色んな意味で落とし所がまだ見えていない‥ということかもしれません。

方向性が上手く決まると、全員に当事者意識が強いため、ものすごい勢いでビジネスのスピードをあげて進んでいきますが、ベンチャーキャピタル勤務時代に様々なベンチャーを見ても常々感じましたが、ここまでたどり着ける企業はそう多くありません。

一方、ある程度の企業になってくると、新規ビジネスやサービスといった名称のものも蓋をあければ、既存のビジネスの小手先変更みたいなものが多くて、ガッカリすることが多いです。

自分達があまり頑張らなくても手に届く範囲の目標やプランであり、社内から反対の出にくいものを出してくるというのが多く見られます。

こういった会社では、それこそ売上10倍もしくは利益を10倍するにはどうするか?というような、今の地点から離れて考える投げかけをすることが功を奏することが多々あります。

私の顧問先の一つで、利益10倍を考えたことから、ある施設を手放すことに決めたという企業がありました。
施設の固定費が重く、固定費に対してその施設があることによるメリットがだいぶ減っており、なんとなくあって当たり前という会社のカルチャーの中で視点を変えたことにより、手放すという案が従業員から出てきたというものです。

本当に偶然なのですが、新型コロナウィルスの広がる前に手放していたことが、現在かなりファイナンシャルシートに効いてきて、新型コロナウィルスで下がった売上分を利益面でかなり助ける形となりました。

冒頭の結婚と恋愛の話に戻すと、新興企業はお互いと自分の足元を見ることも時にはかなり重要。
安定していない経営体質では、これを見誤ってそのまま一気に会社が消滅していくことは、本当によくあることです。
夢を追いかけるのは素晴らしいことですが、未来ばかりを見つめるのでなく、お互いを見る恋愛も大事なのです。

一方で、成熟した組織ではお互いを見つめ合って市場を無視してしまったりすることがないように、ときにハプニングをあえて起こしたり、あえて新しい風を入れてみたりすることで、安心しきってマンネリ化してしまう結婚生活をよりイキイキとしたものにしていくことができそうです。
そもそもなんで結婚したんだっけ?私達?みたいな感じでしょうか‥。

 

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