はじまりの物語―デザインの視線

図書館で予約していた「はじまりの物語―デザインの視線 」松田 行正(著)が回ってきた。

よく覚えていないのだが、大学の勉強の中で参考図書としてあげられていて、予約したのだと記憶している。

小口のデザインがまずユニークだ。
ページごとの終わりが必ず句読点の「。」で終わらせるように構成されている。

それもそのはず、知らずに読み始めてしまったが、どうやらこの著者は有名なブックデザイナーで、牛若丸出版という出版社も主宰されている。
もちろんそれ以外のデザインの仕事も色々と手掛けているというかなり有名な方らしい。

デザインも印象的だけれど、中身はもっとすごくて、とにかくあっちゃこっちゃに話が飛ぶ。
急カーブを結構なスピードで何度も曲がるドライブのようなフラフラ感に最初はすごく戸惑うのだけれど、リズムがつかめてくると楽しくなってくる。

ものすごく豊富な知識のある方らしい。
アート、歴史、文化、建築、映画その他をごちゃごちゃ混ぜた強いカクテルのような感じでもあり、でも出てくるカクテルはちゃんと「デザイン」という落としどころに着地しているようだ(まだ読み始めなので)

こういうタイプの本にどこかで会ったことあるような?…と、思い出したのが、
管 啓次郎の「本は読めないものだから心配するな」。
この本に出会ったときにもこのフラフラ感がすごかった。

タイトルと内容が合ってないのではないかと、読み始めてすぐに思ったのだが、この人の文章がものすごく引きつけるのだ。

この本は2010年に購入して、あちこちの南の島に旅行に連れて行ったので、もうボロボロだけれど、手放せずに持っている。
2011年に新装版が出たようだけれど、どちらの版もAmazonで見ると中古しか入手できないようで、最低価格4000円以上という、結構な金額がついている。
もちろん、手放す気にはなれない。

2011年に新装版が出たようだけれど、どちらの版もAmazonで見ると中古しか入手できないようで結構な金額がついている。

今朝、お風呂の中で「思考の整理学」を読んでいて、その中に『詩とは、もっともよき語をもっともよき順序に置いたものである』という言葉が引用されていたが、管 啓次郎氏の本に私が感じるものとかなり近いものがあるような気がする。

話を「はじまりの物語―デザインの視線」に戻すと、この本もどう考えても何度も読み返す本になりそうなので、今朝ほどAmazonに発注。
デザインの本というのは、そもそも部数が少なく印刷されていたり、変形本だったり、装丁が凝っていたりで発売当初からかなりいい値段がする。

大学の学びも最初の半分は、どうやって手を動かすが多かったのだが、後半はストーリーやアイデアをどう創っていくかのような内側の話が増えてくる。
今までの私の中にある手元との素材ではまったく足りないだろうと想像がつく。
それを補強してくれる本になりそうだという期待での投資。

投資は回収されなければ、それは「浪費」。
回収できる「投資」となるかどうかは自分次第。

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