小説三昧

4時少し前に起床。
この週末からすっかり梅雨もあけたようで、夏らしい空が続いている。
朝から目眩がひどいので、散歩当番と飯炊き当番を夫に交代してもらうことする。

このところ読み続けていた北森鴻さんの香菜里屋シリーズを読了する。

読書会メンバーに紹介してもらったミステリー仕立ての連作短編集。
三軒茶屋にあるすこぶる美味しい無国籍料理のを出す隠れ家のようなビアバーが舞台。
ヨークシャ・テリアの刺繍の入ったエプロンをつけた店主が営むその店では、大小様々なちょっとした謎や出来事の話が持ち込まれ…いろいろな推理が繰り広げられるという連作短編小説。

ラストがバタバタした印象だったのが、ちょっと残念だった。
(これは著者の書く他のシリーズの登場人物が出てくるためだと思う。これ誰だ?と混乱しまくってしまった)

毎晩、夕方のお風呂の中で一話読むという感じで、ちょうどいいリラックスの時間になった。
どうやらこの作家の方は連作短編が得意の方らしいので、きっとこれからちょくちょく読む作家さんになりそう。嬉しい出会いだ。

図書館から借りてきた「サンセット・パーク 」Paul Auster (著), 柴田 元幸 (翻訳)を読了。
読み終わるなり最初から読み返したくなる本だった。

多分、文章の一つ一つ、言葉の一つ一つ、情景描写一つ一つに、沢山の先を示すものが含まれていたような気がする。
それは回収を前提にしたいわゆる「伏線」とはまたちょっと違うのだが、こういうのを表現するにはどういう言葉が適切なのかよくわからない。

もう一つこの作品の中で重要な役割を占めているのが、「我等の生涯の最良の年」という古い映画。これを観て始めてより深くわかるのだと思う。
タイトルも知らなかった古い映画でもちろん、観たことがない。これはAmazon Prime Videoに含まれているようなので近いうちに観て、それから再読だ。
結局、買う羽目になりそうだな。できれば文庫が出てほしいのだが、当分先だろう‥。

この本は、もともと新聞の書評欄で知り、柴田元幸さんの翻訳であることと、ブルックリンの廃屋で暮らす男女4人の群像劇という紹介に心惹かれて読んでみた。
実際に読んでみたら、ここで暮らす若い4人の心情よりも、この4人のうちの一人であるマイルズの親たちの感じ入るものが多かった。

そう言えば、ここしばらく主役じゃない人々に感情移入することが多くなった気がする。
率直に言えば、脇役の中高年だ。
今の自分の立ち位置にそちらのほうが近いからだろう。
自分が普段感じているようなことを言葉にするとこうなるのか‥と思う部分が多い。
そう考えると、書き手も年齢を重ねてからでないと書けないものがあり、読み手も年齢を重ねないと読み取れないものがあるということなんだろう。
そういうのは歳を取ることの愉しみの1つだと思う。

一月二五日 年月が経つにつれて人は強くなりはしない。苦しみや悲しみの蓄積はより多くの苦しみや悲しみに耐える力を弱めるだけであり、苦しみや悲しみは不可避だから、人生後半にあっては、ささいな挫折が若い頃の大きな悲劇と同じ強さの打撃をもたらしかねない。

とっても暑かったので、外出の用事を済ませた後は、まっすぐ帰宅せずに行きつけのバーで、3時のおやつ代わりの生ビールと旬のツルムラサキのタプナードソース和えをいただく。
ケーキとコーヒーにお金を使うよりも、こっちほうが私向きだ。

自宅に戻ってのんびり、お風呂に入って、今日から夕方の読書は、近藤史恵さんの「ビストロ・パ・マル・シリーズ」の「マカロンはマカロン」。
久しぶりの新刊だ。

読みはじめて思い出した、あ、これ「香菜里屋シリーズ」とかなり似た設定だ‥。
美味しい下町のビストロ、ちょっとしたミステリー仕立て、そして連作短編。
結局こういうのが好きなんだな‥と、笑ってしまった。

お風呂から出て、これまた図書館から借りてきた「外は夏」

まだ、最初の短編を読んだだけなのだが、ものすごく惹きつけられている。
韓国の小説には、不思議な吸引力を感じる。

何かがものすごく懐かしい感じ。「82年生まれ、キム・ジヨン」もそうだったのだが、自分は今は反対側にいるが、こちらの道を選択していた可能性があったのだ‥というような感じを受けるのだ。
なぜだか、さっぱり分からない。
国も違うし、年齢も違うし、場合によっては時代も違うのだが、もっと自分のシチュエーションにやキャラクター似た登場人物よりも、ずっと近い気がする。
でも、対面することはない。多分、できないのだ。なんだか自分から切り離すことのできない影のように感じるのだ。

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