海のある暮らし

2021年の9月に逗子に引っ越してきた。
今住んでいるところは、逗子海岸まで徒歩5分ぐらいの場所。

私は産まれてからずっと都内の江東区という千葉よりの下町エリアに暮らしていて、2020年の引越で初めて江東区から出た。

元々、祖母が鎌倉で暮らしていたり、前の夫が千葉の茂原に家を持っていたりで、海に全然行かないという生活だったわけでもないのだが、海よりプールのほうがずっと好きというタイプ。

潮でベタベタするのと必ずカラダのどこかに砂がついて、きれいに帰れないのが苦手なのだ。

逗子に越したという話になると、大体の場合は「海があっていいですね」という話になる。
実際、不動産相場を見ていても、JR逗子駅をはさんで山側と海側では海側のほうが高い。
逗子の場合、波がほとんどなく、津波の心配が少なく、自然災害はどちらかというと土砂崩れのほうが怖いというのも一因かもしれない。

海の近くに暮らすというのは、イメージはいいけれど厄介なことも多い。
津波の話はともかく、まず「塩害」の問題。少しメンテナンスを怠った不動産はやっぱりベランダの手すりや室外機にサビが目立つ。あんなにおしゃれなお家なのにもったいなぁ…と見ていて思うけれど、大きな家ほど手が回らないんだろうなぁ‥と思う。

海岸に面している道路は、バイクのツーリングスポットでもあるようで多分結構うるさいと思う。特に夏のこの時期は、今年はコロナの影響でいつもより人出が少ないとご近所の方々は言うけれど、それでもやっぱり結構な人がいる。

砂浜にゴミを散らかしていく人もいるし、そうでなくても風が強い日はどこかからゴミが流れてきて漂着する。流されたであろうサーフボードなんかもあるし、そこには魚類はもちろん、ウミガメやら猫やら鳥やらの死骸もあったりして、うわーっとなることも多い。

我が家は海に面していないけれど、それでも湿気はすごいし、洗濯物がカラッと乾くことはない。乾燥機を置く場所がないので、引っ越してきてすぐに除湿機を買った。
もともと私は柔軟剤が苦手で、タオルなんかはふわふわ柔らかよりも、太陽で乾かされたバリバリのものが好きなんだけれど、こちらでは常に微妙にしっとりしている‥。嬉しくない。

もっとも辛いのは、海岸の砂がどれだけ掃除をしても家の中にあることだ。
犬の散歩で海に行くと、犬もそうだが、どんな履物を履いても必ず砂が入り込んでくる。どの履物がベストだろう?と夫と私は履物をびっくりするぐらい買い替えた半年だった。
そして、玄関でいくら落としても掃除をしてもどういうわけか、階段や部屋の済みには砂が落ちている。

そんなこんなで海暮らしサイコー!とはあまりなっておらず、そんなに良いことばかりでもないけどね‥と思うことが多い。

漠然といつかは海の近くに暮らしたい‥という人たちよりも、元々、実家が海にあって、また海の近くで暮らしたい‥という方々の話のほうが、聞いていて共感することが多い。それはきっと、海が暮らしに根付いていた人たちの話だからだと思う。

自分自身もこの暑い時期ですら海に入りたいと思わないし、マリンスポーツも興味なし。そんな私だけれど、それでも身近に海があると、朝の静かな海や夕日がきれいだ、月がきれいだと行っては海に立ち寄る。
暮らす前までの海は鎌倉も茂原も、あくまで遊びに行く場所だから日中しか海にいないから、朝晩の海を眺める経験が少なかったのだと思う。
今や海はあまりに身近になって、イベント感がなくなった。お気に入りの公園のベンチのようなものだ。

そしてイベント感のない海が近くにあるって、そう悪くないな‥って最近少し思うようになってきた気がする。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

  1. 2020.09.26

    手作りと大学

コメント

コメントをお待ちしております

HTMLタグはご利用いただけません。