英語についてはもう諦めませんか? 2

前回からの続きです。

私自身、外資系企業に入ったときにまったく英語ができなかったので、お取引先などで、いかに私が英語ができなかったをよく知っている人には、英語の勉強法や身につけ方についてアドバイスを求められることさえあります。

私の勉強法(?)は、英語のメールがじゃんじゃんやってきて、とりあえず片っ端から読まなきゃいけない、読んで必要なものには何かしら返信しなくちゃいけない。英文メールの本、ネット上にある翻訳サービスを使い、少し慣れてきたら海外の同僚たちの英文メールで使い回しできそうなものを抜書きしてファイルするようにして、何となく書くようになってきました。(書けるようになったとは今でも思えません)

とにかく資料が全て英語ですので、ひたすら辞書を引いて読みました。これはもうひたすら量をこなしました。
そもそも転職してすぐは、日本語での資料があったとしても、初めての仕事ですからよくわかりません。
これはもう愚直に読むしかありませんでした。

入社して数か月したら、電話会議が始まり、ひと言もしゃべらないので上司に散々怒鳴られました。
怒鳴られたからと言って、話せるものでもありません。そもそも何を先方が言っているか、さっぱりわからないんですから。

海外でのミーティングは一人で参加させられて、これも何だかさっぱりわかりません。
他の誰かに聞くこともできないので、これも懲りて、事前にできるだけ会議に関連する英語の資料を読みました。
これでようやく3〜4割ぐらい何の話をしているのかわかるようになりました。

そのうち所属しているチームが日本法人からアメリカ本社の所属に変わり、外人が上司となり、レポーティングも英語が増え、さらに英語の量が増えてきました。
また上司を含む海外ゲストのアテンドやら食事の機会が増えて、こうなると日常会話がさっぱりできない‥という問題に直面します。
ビジネス英語と違って、事前準備がなかなかできないわ、範囲広すぎるわ…でこれまたきつい。
食事のメニューの説明とか、本当ムリ…って感じでした。

ようやく西海岸の同僚や上司の英語に慣れた頃、スペインなまりのきつい上司、コロンビアなまりの上司、シングリッシュの上司と次々ハードな英語がやってきて、またさっぱり何言ってるのかわからない…というのがやってきます。

この頃になると、作為的な英語のメール。何かマズイことを隠しているとか、このメールには小さなトラップ(罠)が何か潜んでる気がする…なんていうのも気づくようになってきますが、どう手を打っていいか、どう返すべきかなんていうのはよくわかりません。

本来、英語の勉強は基礎からじっくり、文法と発音をちゃんとやって、ボキャブラリーを増やしてなどといいますが、目の前でどんどん仕事が流れてきますから、そんなの全然できませんでした。

何しろ英語に足を取られて、仕事がさっぱり終わらないのです。
そしてこんな乱暴きわまりない方法で何とか英語で仕事ができるようになったような次第ですから、人様の勉強法へのアドバイスなんてまったくできません。(そもそも英語ができるようになったと言えるとも思えないのです)

これを読んで思われたと思うのですが、こんな虎の穴に突き落とされるみたいな、英語の身につけ方、多分、みなさんしたくないですよね。

でも、私のように何度か教材にチャレンジしてもすぐ挫折してしまう人は、このぐらいハードな環境に追い込まれないと英語が使えるようにならないというのもおそらく事実なのです。

とにかく、生まれ育った場所にない語学を身につけるというのは、ある一定期間は必ず量をこなすことが必要なのだと思います。
そして当たり前ですが、量をこなすには時間をかける必要もあります。

1年間365日、毎日3時間真剣にやるとかなり伸びると私は思います。
どのやり方からやっても正直あまり変わらない気がします。
文法からスタートしろ、発音からやれ、…と著者や講師によって言うことはまちまちですが、おそらくそれはご本人がそのやり方から入ったからだと思います。

当たり前ですが、文法から始めた人は、発音から始めたわけではありませんから、文法から始めてできるようになった人は、何事も文法がやっぱり大事と見えるのだと思います。
発音からの人も同様です。
ヒアリングがけっきょくできなければ、文法だけできてもだめでしょう、と思うようになります。でも、行き着く先は全部一緒です。
英語ができるようになるには、文法もヒアリングも発音もスピーキングも全部できなきゃダメで、どのルートから行くかだけが違うのだと思います。

大きな問題は量をどのぐらいやるかなのです。

しかし、英語に関して切羽詰まった必要性がない人が3時間を英語に割くことをするでしょうか?

そう、一番の問題は、英語の必要性が基本的に、私たち日本人にとって高くないことなのです。
英語というのは、今現在の日本で仕事や生活をする上では、できれば more better (尚良い)ですが、requirement(必須)ではないのです。

そんな程度のことに、これだけ慌ただしい毎日を過ごしている私たちが、そんなに時間が割けるでしょうか?時間を割いて、学ぶだけのモチベーションを持ち続けられるでしょうか?

外資系で英語に格闘していた時期に、自分の勉強記録として書いていたブログが「How to improve my English?」です。(現在は更新していません)
仕事で使う英語とは別に、1000時間ぐらいプライベートで自分なりに勉強しないとダメだろうな‥と思って、こんなことをやっていましたたまたまこの文章を書いていて、このブログを読んでみて、当時の私の状況を表す部分があったので、以下、一部抜粋します。

2005年10月30日(日) これからどうする?
多読20分

※1000時間達成まで、残り803時間40分

さて、英語の勉強がさっぱり進みません。理由は大きく二つ。
1つは仕事量が多くて、まず英語の勉強まで時間が回らない。現状、仕事→コーチング→大学→英語の順なので、まず仕事とコーチングでほぼ完全に終わってしまう。
それでも、通勤時間とかの隙間時間にもともと40分程度勉強していたことを考えると時間だけでの問題ではない。
まぁ、仕事の負荷が精神的にも肉体的にも厳しいのでやる気がどうも失せてしまうというのが理由だろう。

その上、その状態に追い討ちをかけるのが2つ目の理由。
今の会社を来月いっぱいで辞めることにし、次は日本企業へと転職するため、ようはこの先仕事に英語は不可欠・・・という状況が無くなるのである。

じゃぁ完全に英語の勉強をストップしてもよいのではないかと思う。・・・・・が、恐ろしいのは何かのきっかけでまた英語を使う破目に陥った時に一から勉強し直すのがとにかく嫌なのである。

このブログで、1000時間の勉強時間を目標にしているが、実際これは私が仕事以外でわざわざ勉強している分だけがカウントされている。つまり、出張時やそれ以外の仕事で英語に触れている時間は全くカウントされていない。
私は今4年9ヶ月今の会社に在籍している。最初の1年はあまり英語の使用頻度は高くない。まぁざっくり3年間と考えてみる。一日3時間英語に触れるとして、一ヶ月20日の勤務日数とすると・・・・

12ヶ月 x 3年 x 3時間 x 20日 = 2160時間

ざっと、これだけの期間英語に触れているが、相変わらずアメリカ人の小学生レベルの本をつっかえつっかえ読み、文法は間違えまくっているし、会話はしどろもどろ・・・・という状態である。
ようは、本質的に語学向きじゃないんだろうと推察できるのだ。

思いのほか、長くなってしまいましたので、今日はここまでにしておきます。

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