マリンスポーツ観賞

逗子に暮らすようになって、マリンスポーツに興味を持つようになった。
といっても、実際に自分でそれを始めようとは今のところ考えておらず、眺めるの専門だ。


我が家から徒歩5分程度にある逗子海岸は、ほとんど波が立たないため、サップ(Stand Up Paddle)とウィンドサーフィンを楽しむ人が多い。
見ている限りではサップが一番簡単そうに見えるし、海と遊んでいる感じがする。
時々、犬をボードに乗せている人も見かける。
のんびりしている姿は楽しそうではあるけれど、観賞しているほうとしてあまり見るべきところはない。

ウィンドサーフィンを見始めたときは、どういう人が上手いのかというのがよくわからなかったが、しばらく眺めていると、どうやら上手な人というのは、少ない風をつかまえることができるようだ。
なんだか今日は風がなくて、ほとんどウィンドサーフィンが動いていないなぁ‥と思うときもスーッと横に動いていく。
みんなが止まってぼんやりして突っ立っているなか、そうやって風を切って走るのは、爽快さもあるが、痛快さも大いにありそうだ。
こちらは風と遊ぶスポーツなんだろう。


逗子海岸ではサーフィンは、波がないのでほとんど見かけない。
ときどき、風速5メートル超えみたいな日にポツポツとボードを抱えて出てくる人がいるぐらい。


それでも逗子海岸付近の家はかなりの確率でサーフボード置き場を玄関わきにつけているし、サーフボードを運べる仕様にしてある自転車も多い。海沿いのマンションも共有のサーフボードを置く場所が、あたかも自転車置場のように設置されている。
逗子に引っ越ししてきて、驚いたことの一つがマンションの共有ボード置き場だった。

逗子から少し車で行くと、七里ヶ浜だ、稲村ヶ崎だとなって、ここはもうサーファーの人たちがいっぱいである。
こちらに暮らすまでは、ちゃんと見たことがなかったが、真面目に眺めてみるとサーフィンができるようになるというのは、相当難しいことではないかと思う。
どうやったら、不安定な波の上で、あの不安定なボードに立てるのかまずさっぱりわからない。
そして立てただけではダメ。
波が来るときにタイミングよく立てて、そのうえ、その波の一番高いところに乗るのだから、私のようなずば抜けた運動音痴から見ると、もはや神業としか思えない。


難しいスポーツだから上手い人はやっぱり少なく、そういう人は本当に素敵だし、大体の場合は青い海と青い空がバックになっているのだから、それはもうとてもゴージャスな風景で、いくら眺めていても飽きない。


今日も車で江ノ島へ移動する途中になんのきなくサーフィンを眺めていたら、それなりに人がいる。 …って、今日は平日だよな…とふと気づく。

本気でサーフィンをやろうと思ったら、サーフポイントの近くに住むしかないんだろう‥。
登山好きもある程度は時期や天候を選ぶけれど、サーフィンは波をつかまえるのだから、日にち単位で行く日を検討するというよりも、時間単位で全然予定が立たないのではないだろうか。

よし!今日はいいぞ!と思ったら、サッと波に乗れる場所に住まないと、しかも眺めていると結構海のなかで良い波を待っている時間も長そうだ。
仕事もかなり自由度が高くないと無理そうだ…。

マリンスポーツ全般にそれなりにリスクがあるけれど、サーフィンはサーファー同士がかなり近くで混み合ってやっているように見えるので、怪我のリスクも高そうだ。
そう考えるとサーフィンというのは、なかなか覚悟のいるスポーツだなぁなどと思ったりする。

海の近くに暮らすようになって、もうひとつわかってきたことは、マリンスポーツというのは、若い人のスポーツだと思っていたが、結構年齢を重ねてもできるスポーツらしいということ。
老人のスポーツというと、これまでよく見たり聞いたりしてきたゴルフ、トレッキングなどを思い浮かべてしまうが、マリンスポーツを楽しむ人もかなり多いようで、海で焼けた肌を持つ年配の人達はとても素敵に見える。
一一人で自然と遊ぶ時間を持っているというのが素敵に見えるのかも。


書いていて気がついたけれど、私のやっているのはマリンスポーツを眺めているというよりも、ピープルウォッチングなんだな‥、スポーツよりも人間観察がどうやら好きらしい。
あまり素敵な趣味とはいえない気がする‥。
いくつになってもできるという利点はあるけれどね。

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  1. 花蘇芳

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