2021年下半期:読んだ本 ベスト5

2021年の読書概況

このブログを書いている時点で、まだ12月31日となっていないのですが、おそらく2021年は全部で274冊の本を読んだことになりそうです(再読含まず)
読んだ本のリストを眺めると、全体に印象が強く残った本というのが少なかった気がします。Kindleで読むことが多いと、紙よりも本の内容を忘れがちで大作にはなかなか挑めない‥というのもその理由かもしれません。小説については図書館利用が多かったせいもあり、例年より冊数を読んだ気がします。
2022年は、紙の書籍/電子書籍のどちらで読んだか、自分の手元にある本なのか図書館の本だったのか‥というのも記録しようかと思っています。それから再読本も別カウントで記録しておこうかと思います。
これまでも再読本のカウントは検討したことがあったのですが、最初から最後まで読むというよりも、思い出して読みたくなった部分だけを読むというのが多く、カウントが難しいと思い、放置していました。
このところ、頭から再読すると、最初の印象から随分と本の印象が変わるな‥という体験が多いので、2022年は再読を積極的に取り入れたいと思っています。

昨年の2020年は下記の記事によれば、284冊の本を読んでいるようですので、2021年よりも10冊多いようでした

2020年:読んだ本 ベスト5

これまでこの年末のベスト5の記事は、1年分をまとめて書いていましたが、上半期に143冊を読了してしまったので、今年は上半期・下半期で記事を分けることにしました。

2021年上半期:読んだ本 ベスト5

さて、2022年はどんな読書になるのやら、できれば年間の読了本は60冊ぐらいになるような、重厚長大な本をじっくり読みました‥という年末の感想にしたいのですが、理想高過ぎ!というような気が我ながらします。

2021年下半期:読んだ本 ベスト5

以下は、2021年に出版された本ではなく、私が2021年7月~12月に読んだ本のベスト5ですので、ご注意ください。

5位 「誰がために医師はいる――クスリとヒトの現代論 」

一度薬物に手を出したら=廃人みたいなイメージが世間一般にありますが、実はそんなことはない。そしてこのイメージが薬物依存の患者を立ち直らせるのに非常に障害になっている‥ということを本を通じて知ることができました。
近年、芸能人の薬物使用のニュースも多く、薬物を使っていたらすべての仕事を降りなくてはいけない、人生終わり‥みたいなのはどうなのだろう?など色々と考えさせられます。
(厳罰化に関しては、不倫も薬物もなんでもかんでも進んでいるように、昭和世代の私なんかは感じるので、問題点は薬物だけではないと思いますが)
また、日本はアルコールでの失敗には非常に寛容で入手も容易、呑む機会も豊富だけれど、実際アルコール依存のほうが身体全体を蝕むという点では、恐ろしいというのも知りました。
「アルコール呑みすぎ=やんちゃ、無礼講、はっちゃけ」みたいなイメージがあり、これに対して「薬物摂取=犯罪、廃人、二度と立ち直れない」のような人生終了のイメージが想起されますが、どうも実態は相当違うらしいということが学べる本です。
著者自身のカフェイン依存やゲーム依存の話などもあり、「依存」というものについてもあちこちの方向から考えられる本でした。

(中略) わたし達は薬物を使いたくなったときにはこう考えるようにしています。「今日一日だけ使わないでいよう。使うのは明日にしよう」って。で、明日になったらまた同じ用に自分に言い聞かせる。その積み重ねです。ひとりでこれをやるのは大変ですが、仲間と一緒ならやれます。人生においてもっとも悲惨なことは、ひどい目に遭うことではありません。一人で苦しむことです

私は、薬物を再使用してしまった患者に対して、まずは正直な告白をねぎらったうえで、自分の率直な疑問をぶつけてみた。「どんな状況でクスリを使いたくなり、どんな状況ではクスリを使わないでいられるのか」「クスリに対する欲求を抑えるのに成功したときと失敗したときでは何がどう違ったのか」をくわしく訊くことにしたわけだ。

関連記事:

「「薬物に手を出すと廃人になる」私たちがずっと教わってきた話はウソである」
https://president.jp/articles/-/46044

「「覚せい剤中毒より治療が困難」普通の人を薬物依存に陥らせる”あるクスリ”」
https://president.jp/articles/-/46045

Weekly Review – week 28th, 2021

4位 「ゆるい生活」

図書館でなんとなく装丁が気に入り、借りてきた群ようこさんの「ゆるい生活」。
病院に行くほどではないんだけれど、加齢とともに自分の身体の状態が変わってきて、疲れやすくなったりあれこれ出てくるな〜と感じていたところにピタリとハマった本でした。

やたらに病院に行き検査や治療を受けたりするのではなくて、できるだけ自分で衣食住に気をつけることで、健康に暮らせればいいなぁ、特に長生きしたいとも思えないですしというところに自分と近いものを感じました。

漢方の話も面白く、ここから東洋医学的な考え方に興味をもち、気がつけば漫画も含めそれなりの数を読んでいました。以下の記事は、この本の話もありますが、この本から影響を受けて読んだ東洋医学関連の本の話も含まれています。

Weekly Review – week 28th, 2021

Weekly Review – Week30th, 2021

Weekly Review - week31st

2021年8月の振り返り

3位 「ハンズ 手の精神史」

スマホ依存という話題のときにセットで語られることが多いのが、SNS依存です。アテンション・エコノミーという言葉もかなり知られるようになった気がします。
つい先日の記事で、私自身がSNS関連のアプリを削除した話を書きました。

Weekly Review week 50th and 51st, 2021

しかし、もともとアプリに関しては通知を全部切っているタイプですし、昔からメールが届いてもデスクトップにアラートを表示させるタイプでもないので、そんなにみんなSNS依存なのかなぁ‥というのはわりと疑問でした。30年近くブログをやっているせいか、SNSも私にとってはブログと同じようなもので、その昔「インターネットは便所の落書き」という言葉がありましたが、それに近いかな‥と一方的にこちらが書きたいことを書いているだけで、誰かとつながっている、つながりたいというツールと捉えていないという私自身の使い方がそこには影響しているのだと思います。
Facebookdeの知人・友人の書き込みは、好奇心をそそりますし、近況を知らせ合うのに便利だと思っています。
InstagramやTwitterでは、まったく知らない人とやり取りすることを楽しんでいましたが、それは繋がり?というより、たまたまバーで隣り合わせになった人と話して面白い時間だったに近く、継続が前提になっていないのが私の使い方です。

話を戻すと、SNSのアプリを削除しても、それなりにスマホいじっているんですよ。
なんで、どうしてそうなるの?についての答えをくれたのがこの本です。
私たちの手はどうやら暇に耐えられないものらしく、その手の欲求にピッタリとあうのがスマホ。
私たちは思っているよりも、「手」に支配されているということを、具体的にいろんな実例をあげてくれます。この実例の話がとても面白い(その真偽はともかく…)。
この本は全然実用的じゃないし、読んでもスキルアップもしないし、そもそもこの手の本は読んでいる人も少ないので語り合える人も見つけにくいのですが、でも、こういう思索の本をもっとたくさん読みたいな‥と長年思っています。
これが実現しないのは、難しい部分も多く、なかなかページがめくれないから、手が手持ち無沙汰で拒否するのですかね‥。

新しいテクノロジーをもちいて、手ぶらで操作できるようにデザインされた多くのプロジェクトが高い確率で失敗する理由はここにある。グーグル・グラスに対しての反響が少ないことはすでによく知られている。声だけでコンピュータを操作できるのは魅力的に思えるし心踊ることかもしれないが、コンピュータという技術がもつおそらくもっとも重要な役割ー手でタップしたり、文字を打ったり、クリックをしたり、スクロールをしたりすることを可能にするという役割ーを私たちから奪ってしまうことになるだろう。

Weekly Review - week37th, 2021

2位 「古くてあたらしい仕事」

本が好き。
紙の本が好き。
本屋さんも好き。
という方には、絶対好きになってもらえる本です。
一人出版社の夏葉社がどのようなきっかけて始まり、どうやって実際に本を作ることを実現して書店に置いてもらえるようになったかが綴られています。

私も数年前から、もっと自分の仕事に肉体労働的な部分を増やせないかな‥というのをよく感じています。この本を読んで改めて、「仕事」って自分に取ってなんだろうなぁ‥と考える機会にもなりました。

ぼくの頭のなかには、いつも近所の中華料理屋さんの仕事があった。
その店は実家からあるいて五分の場所にあり、僕は子どものころから、その店のラーメンや餃子を食べて育った。彼らは家族四人で店を回し、汗を流しながら厨房で調理をし、岡持ち付きのカブで近所をぐるぐると走り回っていた。彼らはいつも笑顔で、ぼくと目が合うと必ず「こんにちは」といった。
ぼくは彼らの働きぶりが好きだったし、彼らのように仕事をしてみたかった。つまり、自分の仕事をデスクワークではなく、交渉事でもなく、肉体労働のようなものに近づけてみたかった。

本は考える時間をたくさん与えてくれる。思い出す時間もたくさん与えてくれる。
読書というものは、すぐに役立つものではないし、毎日の仕事を直接助けてくれるものではないかもしれない。でもそれでも、読書という行為には価値がある。

人は本を読みながら、いつでも、頭の片隅で違うことを思い出している。江戸時代の話を読んでも、遠いアメリカの話を読んでも、いつでも自分の身近なことをとおして、そこに書いてあることを理解しようとしている。

本を読むと言うことは現実逃避ではなく、身の回りのことを改めて考えるということだ。自分のよく知る人のことを考え、忘れていた人のことを思い出すということだ。

世の中にはわからないことや不条理なことが多々あるけれど、そういう時は、ただただ、長い時間をかけて考えるしかない。思い出すしかない。

本はその時間を与えてくれる。ぼくたちに不足している語彙や文脈を補い、それらを暗い闇を照らすランプとして、日々の慌ただしい暮らしの中で忘れていたことを、たくさん思い出させてくれる。

Weekly Review – week 35th, 2021

1位 「進化思考――生き残るコンセプトをつくる「変異と適応」」

下記の自分のブログ記事を読むまで、Amazonで発売前に事前を予約をしていたのは覚えていたのですが、そもそもどうやってこの本の存在を知ったのか忘れていました。きっかけはモリサワのフォントカレッジ(オンラインセミナー)だったとは。
デザイナー方の書いた本で、ビジネス書のジャンルとしては、流行のデザイン思考に入るかもしれませんが、それよりも私にはジェームス・ヤングの「アイデアのつくり方」を思い出しました。

「アイデアのつくり方」は簡素過ぎて具体的にどうすればよいのかさっぱりわからん‥という声も多いですが、結局すべての基本はここにあって、あれこれ読んで試しても最終的には、これを抑えれば良いという名著だと個人的には思っています。でも、もうちょっと具体的にもっといろんな事例とかその考えに至るまでには‥というのをとことん読んでみたい‥というのであれば、ぜひこの「「進化思考」を。
大学でデザインを学んでいるものの参考になりそうだな‥と思って読みましたが、どちらかというと、ビジネスの上でアイデアを出すのが得意じゃない人や組織に対して、ヒントの多い本だと感じました。
組織や自分で思いついたアイデアをこれにあてはめて、いろんな角度から検証してみるという使い方も良さそうです。私にとっては、久しぶりの重厚長大なビジネス書でしたが読んだ甲斐がありました。何度も再読する本になりそうです。

Weekly Review – Week16, 2021

Weekly Review – Week38th, 2021

これまでの「読んだ本のベスト5」

2021年上半期:読んだ本 ベスト5

2019年:読んだ本 ベスト5

2018年:読んだ本 ベスト5

2017年:読んだ本 ベスト5

2016 年:読んだ本 ベスト5

2015年:読んだ本 ベスト5

2014年: 読んだ本 ベスト5

2013年:読んだ本 ベスト5

2010年:読んだ本 ベスト5

2009年:読んだ本 ベスト5

2008年:読んだ本 フィクション ベスト10 及び ノンフィクション ベスト5

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

  1. NO IMAGE

    2009.10.08

    Kindle
  2. NO IMAGE
  3. NO IMAGE

    2007.07.03

    折り返し地点
  4. NO IMAGE
  5. books

コメント

コメントをお待ちしております

HTMLタグはご利用いただけません。