逗子日記:二〇二三年八月 蒙霧升降 (ふかききりまとう)

日の出の時間が5時過ぎになった。
夫も一緒に朝の散歩に行くというので、ここ数日、散歩は5時出発としていたけれど、やはりまだまだ暑くて犬も私もどちらもツラい。
今朝は夫は起こさず、4時半に出発。
やっぱりこのぐらいの時間が快適だ。

久しぶりに富士山がきれいに見えた。
朝の5時からヘリコプターが鎌倉方面で飛んでいるのは、昨日からニュースになっている由比ヶ浜で海に流されたという高校生の捜索のためだろう。
無事に見つかって欲しい。

お盆のときは、死者に引っ張られるので海に入らない。
お盆の後は、クラゲが出るので海に入ってはダメ‥と、子供の頃よく言われたことを思い出した。

家を転居したり、仏壇のない家も多いだろうし、家族揃ってお盆を迎えるというのも減っていて、その場合亡くなった人たちはお盆にどこに帰るのかな?とふと思う。
お盆ともお彼岸とも全く関係ない育ちだったのに、急にそんなことを思うようになったのは、お盆の行事をきちんとす人たちが周囲にいる今の住環境のためだろう。

明日から大学のスクーリングなので、泊まりの用意をする。
逗子なんて東京への通勤エリアでもあるので、泊まらなくてもなんとかなるのだが、私の体力ではかなりキツイ。
いや、正直一人暮らしだったら、通うかも。
疲れ切ったところで、機嫌よく家族の前で振る舞うのが面倒でしょうがないのだ。
スクーリングの期間は大学のことしか考えたくない。

二泊三日のほうがラクなのだが、二泊三日が中食・外食というのがこれまたシンドイので一泊二日で帰ることにした。
観光客が増えて、ホテル代が値上がりしているのも大きい要因。

今週は、私がスクーリングで不在にするのと、お盆のため本社での打ち合わせがなく、現場仕事に一部休みがあったりなどで、珍しく夫がずっと在宅で仕事をしている。

Zoomの会議にぶつからない限り、基本全部料理をしてくれるのは有り難い。
夫にとっては、料理が息抜きになるらしい。
昨晩も忙しそうなので、私が料理をする予定だったのが、昼間に全部作っておいてくれて、私は味噌汁とお米を炊き、配膳するだけで済んだ。

掃除については、こちらは全くやる気配がないので、そこは気分転換にならないようだ。
私には掃除のほうがずっと楽しいが。

ここしばらくは夫がいないときに、粗食(一汁一菜)+アルコール抜きというサイクルになっていたので、全部夫に作ってもらうと胃腸も肝臓も忙しい。

熱中症アラートが出ているようで、今日もとても暑い。
いつもなら除湿しかつけない、仕事部屋のエアコンも今日は時折「冷房」に切り替えている。

座布団を干して、庭を眺めるとピンクの百日紅の花が随分とたくさん開いている。
あちこちにノシランが白い花を咲かせている。

図書館の予約で回ってきた「聖子——新宿の文壇BAR「風紋」の女主人」が面白い。
前半は林聖子の父であるアナキストの画家林倭衛の話が多く、彼を取り巻く人々は大杉栄ぐらい有名な人はともかく、大半が知らない戦前の画家が多いのだが、それでもグイグイ読まされるのは、著者の手腕なのだろう。

戦前部分が読み終わって、いよいよ林聖子自身の話になってくる。楽しみ。

明日からのスクーリングの参考にと「ひとつ上のアイディア。」を読み返す。
2018年に読んだときにはピンとこなかったものが、デザインを勉強しているうちに「なるほどね」と思える箇所が随分と増えた。
初学者のときは、もうちょっと具体的に…と思っていたが、今読めば充分過ぎるほど具体的で、貴重なプロのノウハウが詰まっていることがわかる。

とはいえ、この段階に来るには、やっぱり「よくわからないわねぇ…ピンとこないわねぇ…」という段階もやっぱり必要でわからないながらも読む初読というステップはすっ飛ばせない。

晩ごはんを食べる前に、犬のお散歩がてら海の家で一杯ひっかける。
金曜日の晩は、地元の子連れファミリーが多い。


私達が犬を連れて飲み食いできるのが有り難いように、小さな子ども連れも周囲に気兼ねなく、飲み食いできるのが海の家の良いところだ。
ご近所さんと飲むのも、終わりが20時と決まっている点も案外便利だったりする。

自宅に戻って、Amazon Prime VideoのLOVE TRANSIT
最終回を観ながら、晩ごはん。
えー…というカップルもあったけれど、みんな落ち着くところに落ち着いたという感じで、よかったよかった。

昨年同時期

逗子日記:二〇二二年八月 蒙霧升降 (ふかききりまとう)

昨年のこの時期は毎日のようにZoomの会議があったけれど、最近は仕事の内容が変わってきて、Zoomは激減。
増えたのはChatだ。

と言っても、今のクライアントはいずれもやたらにChatを投げくることはなく、内容はメールと同じぐらい推敲されているので、こちらの返信も同様の対応を求められているので、急ぎでとりあえず返すなどというのはない。
メールを使わない理由は、単に履歴を見直すのにChatのほうが流れが見えてやりやすからというだけのようだ。

Chatで生産性を下げない良い使い方だと思う。

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  1. 2005.12.19

    ぶれない人

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